アルプスの山小屋案内

ヨーロッパアルプスの山小屋を案内するブログです。1990年代の情報のため、現在の状況と異なる場合があります。

アルプスの山小屋案内#4 - ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世小屋(Rifugio Vittorio Emanuele II)

はじめに

今日はヴァル サヴァランチのヴィットーリオ・エマヌエーレ2世小屋をご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

アオスタ周辺とポンからヴィットーリオ・エマヌエーレ2世小屋までの略図
アオスタ周辺とポンからヴィットーリオ・エマヌエーレ2世小屋までの略図

山域

ヴァル サヴァランチ

リゾート

ポン

ロケーション

山域全体がイタリア国内にある唯一の4000m峰、グラン・パラディーゾのベース。山頂は望めないが、ドーム状のピーク、チアルホロン(3640m)を南東にみる小さな氷河池のあるモレーンの台地。

標高

2730m

出発地

ポン(1946m)

用具

必要はない。

難しさ

標識・登山道はしっかりしていて、たくさんの登山者が行き交う。

所要時間

4時間

カテゴリー

  1. A
  2. AAA
  3. A
  4. B

※カテゴリー詳細はこちら

コースのアウトライン

スタート地点のポンはアオスタからのバスの終点でキャンプ場がありキャンプ客相手に生活用品・食料品とお土産品を商う店が一軒、そのほかは、わずかにホテルが三軒点在するだけの静かな開けた明るい谷で、週末にはマイカーで駐車場が一杯になる。
バス停から3キロほど開けた平坦な沢沿を歩くと森林帯の急な登りとなる。すぐに森林帯をぬけるが、ジグザグの登りがつづく、登山道は幅が広くよく整備されている。大きな平たい岩を丁寧に階段状に敷きつめてあって、まるで観光ルートのようである。それもそのはず、この山はイタリア領土内の最高峰であることから、老若男女に広く人気 があり、夏のシーズンにはたくさんの登山者がこの山小屋を訪れる。登山道わきの高山植物をめでるまもなく、いきかう登山者とbuon giornoとあいさつをかわすのに忙しいほどである。

ワンポイント

GRAN PARADISOは「おおいなる楽園」で、何とも素晴らしい、いかにもイタリア的な名前の名峰4061m。 大きなカマボコ型の小屋nuovo(新)は143名、一番上の三階は中央の通路を挟んで寝るようになっていて、日本の一般的な山小屋と同じく詰込み本位のレイアウトで、ヨーロッパでは他に類がない。旧小屋も43名の収容ができる。そのため大衆的で大味で、いまいち存囲気にかけるが、レンタルのピッケルやアイゼンをそろえているところは他の小屋にはみられないサービスであり、頂上までは無理としても小屋の上の氷河の万年雪見物の需要があるのだろう。
小屋の名は近代イタリアの統一王(1861年)にちなんでのもの。