アルプスの山小屋案内

ヨーロッパアルプスの山小屋を案内するブログです。1990年代の情報のため、現在の状況と異なる場合があります。

アルプスの山小屋案内#9 - メンヒスヨッホ小屋(Mönchsjochhütte)

はじめに

今日はベルナー・オーバーラントのメンヒスヨッホ小屋をご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

ユングフラウヨッホ駅からメンヒスヨッホ小屋までの略図
ユングフラウヨッホ駅からメンヒスヨッホ小屋までの略図

山域

ベルナー・オーバーラン

リゾート

グリンデルヴァルト、ヴェンゲン、ラウターブルンネン、ミューレン

ロケーション

メンヒとトルークベルクのコルのオーバーメンヒスヨッホに建つ、グリンデルヴァルトの山案内人組合が管理するプライベート小屋で、メンヒ南東稜基部の岩場に鉄骨で土台を組んだ上に建てられた素敵な小屋である。

標高

3650m

出発地

ユングフラウ鉄道ユングフラウヨッホ駅(3475m)

用具

ストックがあれば有効。

難しさ

最大は標高。視界がよければ楽な雪上の歩行。しかし、3500mをこす万年雪の世界、ひとたび風雪となれば気温は急激に下がり、トラックは消えて、地図と磁石なしでは方向を定める事ができなくなる。

所要時間

ユングフラウヨッホのトンネル出口から小屋まで1時間

カテゴリー

  1. AA
  2. A
  3. AA
  4. A

※カテゴリー詳細はこちら

コースのアウトライン

晴天の日にはトンネルを出たプラトー(Plateau)は多数のツーリストで賑わっている。アプローチ(4.)のカテゴリーはAとなっているが、6月下旬から9月のシーズン中は小屋まで圧雪車でトレースがつくってある。気象コンディションに恵まれればツーリストも訪れることができるので、Cに近いBのカテゴリーにランクしてもよいアプローチである。
標高差500mあるメンヒの急峻な氷雪の南壁下を約2km。ほぼ1時間のごくゆるい傾斜の楽しい雪上歩きで到達できる。早朝の雪がしまっている時は快適であるけれど、気温の上昇する午後は雪がゆるくなって歩きづらくなる。

ワンポイント

アルプスのなかでは訪れ易い万人向きのアプローチでありながら、標高もあり、さらにヨーロッパ最大のアレッチ水河と広大なエーヴィッヒシュネーフェルト氷河を俯瞰する要に位置して、展望は抜群のロケーションであり、高山の雰囲気をいっぱいに楽しめる山小屋である。
アルプスの山小屋に一度は泊まってみたいという人に推奨できる小屋で、私にとってはアルプスをはじめて訪れた1984年6月のメンヒ登山の時に冬期部屋を利用して以来、冬期にもう一度、小屋番のいるシーズンに3回と計5回泊り、アルプスで利用した21箇所のなかで最も利用させてもらっている。
※ 高山病対策としては、ユングフラウヨッホから小屋まで、ゆっくり行動し、かつ水分を十分に補給して、排尿に心がけることである。