アルプスの山小屋案内

ヨーロッパアルプスの山小屋を案内するブログです。1990年代の情報のため、現在の状況と異なる場合があります。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#2 - プランプラからブレヴァン

はじめに

今日は、プランプラからブレヴァンのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図(シャモニーはフランス)
スイス全図(シャモニーはフランス)

カテゴリ

  • ハイキング

コース

シャモニー(1035m) ---- プランプラ(2020m) ---- ブレヴァン(2525m) ---- プランプラ(2020m) ---- シャモニー(1035m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

ロープウェイ(シャモニー ~ プランプラ ~ ブレヴァン) 約30分。

下り

登りと同じルート。
ロープウェイ(ブレヴァン ~ プランプラ ~ シャモニー) 約30分。

ワンポイント

シャモニーに到着して、まずはこの展望台に登ればシャモニーモンブランの壮大な眺めが眼前に展開します。
いまから240年以上もの昔、1760年ジュネーブのオラス=ベネディクト・ド・ソシュールモンブランが真正面に見えるこのブレヴァンに登り、万年雪と氷におおわれたアルプスの最高峰を眺め、いつかは登りたいと夢を描いたのです。
日本では古くから山々は神々の座として信仰の対象となり、山に登ったという記録はたくさんありますが、当時のヨーロッパでは山登りという行為は人々の間には全く考えられないことでありました。高山には悪魔がすむと考えられていたのです。その呪われた山に登ろうという偉大な発想がソシュールによって、アピールされたのです。
ソシュールは科学の名において「頂上に到達できるコースを発見した者にはかなり多額の褒章金を支払う」という公布をシャモニーの全教区にだしました。ソシュール20歳のときでした。
それから、ソシュールは毎年シャモニーを訪れてこの白雪の処女峰を眺め登頂への思いをつのらせていたが、自ら挑戦するところまではいきませんでした。1775年頃から試登がおこなわれましたが、高い山の氷河で夜をすごすことはできないという古い迷信のもとでの登山では不可能でした。しかしついに、1786年8月8日が記念すべき日となりました。
シャモニーに住む医師ガブリエル・パッカールと水晶採りのジャック・バルマの二人が偉大な初登頂に成功したのです。
ソシュールは初登頂の機会は逸しましたが、翌年パルマらの案内によって47歳にして自らも登頂の感激にひたることができました。
このふたつの登頂は知識階級に一大反響を呼び、ヨーロッパ中の話題となりました。登山という新しいスポーツが誕生したのです。
ソシュールの偉大な功績に想いをはせながら、壮麗なモンブランの容姿を眺めるとき、その印象は一段と素晴らしいものになるでしょう。