アルプスの山小屋案内

ヨーロッパアルプスの山小屋を案内するブログです。1990年代の情報のため、現在の状況と異なる場合があります。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#6 - ヴァレーブランシュのトラバース

はじめに

今日は、ヴァレーブランシュのトラバースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図(シャモニーはフランス)
スイス全図(シャモニーはフランス)

カテゴリ

コース

  • フランス側のエギーユ・デ・ミディからイタリア側のジュアンのコルヘ大雪原の横断

シャモニー(1035m) ---- プラン・ド・レギーユ(2308m) ---- エギーユ・デ・ミディ(3842m) ・・・・ エルブロンネ展望台(3466m) ---- エギーユ・デ・ミディ(3842m) ---- プラン・ド・レギーユ(2308m) ---- シャモニー(1035m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

ロープウェイ(シャモニー ~ プラン・ド・レギーユ ~ エギーユ・デ・ミディ) 約50分。

徒歩(エギーユ・デ・ミディ ~ エルブロンネ展望台)。

シャモニーに到着したアルピニストが先ず向かうべきところはブレヴァンでしょう。そしてモンブラン山群の大パノラマを眼前にして、1. どのピークを登るべきか? 2. どのルートから? の課題につきあたります。
何はともあれ、高山をめざすアルピニストには、まずヴァレーブランシュの横断を推奨します。エギーユ・デ・ミディからジュアンのコルへ。大雪原のトラバースはアルプスの広大さ、厳しさ、美しさ、雪と岩の世界を存分に体験することができますし、高山での体調づくりにもなります。
シャモニーの朝一番のロープウェイに乗れば、午前中には仕上げられる山行ですが、決してこの所用時間は守る必要はありません。こんな短時間で完成させてはこの山行の意味が半滅してしまいます。
ケーブル駅の氷のトンネルをぬけると朝の陽光をまともにうけて、急峻な氷雪の東北東稜の下降です。出だしということもあって、この山行で最も緊張するピッチです。肩に降りたってホットして、はじめていま自分が広大なプレイグランドの真っ只中にいることを実感するでしょう。
ミディの南壁、タキュールの東面の柱状岩稜とクーロワール、そしてトラバースが進むにつれて、ピラミッド・デ・タキュル、アドルフ・レイ・ピーク、そして垂直にそそり立つグラン・カピュサン、トリダン・デ・タキュルの針峰群と、次から次へと岩と雪の世界が華麗に展開します。
極付けは終始天空を指し示すダン・デ・ジュアン(4013m)の巨大な針峰とジュアンのコルをはさんだ右奥に美しい氷雪の北壁を正面にしたツール・ロンドがどっかりと、このトラバースの完成を見守っていてくれます。この山行は天候と雪のコンディションさえよければ、ロープウェイが3800mの標高まで運んでくれて、帰路もまたロープウェイで、今日一日の山行の成果を確認できる恵まれたコースです。技術的な困難さはありませんが、全コース3400mを越す高山の氷河上の雪上ルートですからヒドゥンクレバスに細心の注意が必要です。また、晴天無風の時は、太陽の恵みが過酷なファクターとなり、天候が崩れると気温はみるみるうちに下がり、霧が発生した場合は、地図と磁石が完璧に使いこなせる能力が求められます。

下り

ロープウェイ(エルブロンネ展望台 ~ エギーユ・デ・ミディ ~ プラン・ド・レギーユ ~ シャモニー)。

ダン・デ・ジュアンのコルにあるイタリア側のエルブロンネ展望台からヴァレーブランシュの上をまたぐロープウェイでエギーユ・デ・ミディへ、ミディからプラン・ド・レギーユ経由、シャモニーへ戻る。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#5 - モンターニュ・ド・ラ・コートからラ・ジャンクション

はじめに

今日は、モンターニュ・ド・ラ・コートからラ・ジャンクションのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図(シャモニーはフランス)
スイス全図(シャモニーはフランス)

カテゴリ

  • ハイキング

コース

  • 青氷が眩しいボソン氷河を真近にする健脚ハイキング

シャモニー(1035m) ==== レ・ボソン(1049m) ---- ボソン氷河シャレー(1410m) ・・・・ ピラミット・シャレー(1895m) ・・・・ ラ・ジャンクション(2589m) ・・・・ シャレー・ド・セロ(1358m) ・・・・ モンブラントンネル入口(1274m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

バス(シャモニー ~ レ・ボソン) 約15分。

リフト(レ・ボソン ~ ボソン氷河シャレー) 約10分。

徒歩(ボソン氷河シャレー ~ ピラミット・シャレー ~ ラ・ジャンクション) 約4時間。

下り

徒歩(ラ・ジャンクション ~ ボソン氷河シャレー) 約3時間。

徒歩(ボソン氷河シャレー ~ シャレー・ド・セロ ~ モンブラントンネル入口) 約20分。

ワンポイント

このコースは歴史的トレイルで、初期の登山家達はすべてこのルートをとりました。もちろんジャック・バルマとガブリエル・パッカールもここモンターニュ・ド・ラ・コートの山稜から氷河を登り、グランプラトー、ドームのコルをへて、初登頂に成功したのです。
モンブランの展望台であるブレヴァンから眺めたとき、山頂から発した氷河が急峻な山稜によって二分され、荒々しい氷の塊まりとなって、山麓の村まで迫っているさまが先ず目に入ります。ボソン氷河とタコナ氷河です。ふたつの氷河を分けるモンターニュ・ド・ラ・コートの左側の一段と迫力のあるボソン氷河を終始眺めながら登りつめたところに、バルマのねぐらと呼ばれる大きな岩があり、ここでビバークして山頂をめざしたのです。ここから山頂までの標高差は2200mもありますから、相当の気力と脚力を必要とした登山でありました。
これからさきは、ピッケルとアイゼンそれにザイルを必要とするアルピニストの領域となります。
ラ・ジャンクション(氷河の分岐点)のさらに上部の岩稜上にグランミュレの山小屋があります。氷河の真っ只中にある山小屋です。
ラ・ジャンクションからの眺望は、ハイキングというより登山の領域にあるこのコースにふさわしい、汗をかいた者にだけあたえられる迫力に満ちた美しさです。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#4 - バルム峠からポセット小針峰

はじめに

今日は、バルム峠からポセット小針峰のハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図(シャモニーはフランス)
スイス全図(シャモニーはフランス)

カテゴリ

  • ハイキング

コース

シャモニー(1035m) ==== ル・トゥール(1453m) ---- バルム(2180m) ・・・・ バルム峠(2204m) ・・・・ ポセット小針峰(2201m) ・・・・ ル・トゥール(1453m) ==== シャモニー(1035m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

バス(シャモニー ~ ル・トゥール) 約30分。

ロープウェイ(ル・トゥール ~ バルム) 約30分。

徒歩(バルム ~ バルム峠) 約15分。

下り

徒歩(バルム峠 ~ ポセット小針峰 ~ ル・トゥール) 約3時間。

バス(ル・トゥール ~ シャモニー) 約30分。

ワンポイント

ル・トゥール氷河の末端にあるル・トゥールの村は名山岳ガイド、ミシェル・クロの出身地でもあります。
グランド・ジョラスをはじめ、マッターホルンの初登頂をなしえたエドワード・ウィンパーのガイドをつとめました。彼なくしてウィンパーのアルプスでの足跡はありえなかったでしょう。クロはマッターホルンの栄光と悲劇のドラマの悲劇の人であります。彼はマッターホルンの村ツェルマットに葬られています。(ウィンパーの墓はシャモニーの墓地の入ったところにあります)

バルム峠はシャモニーで最も雪の多いところで、冬は素晴らしいスロープになるであろう穏やかな山容です。
バルム峠の山小屋はフランス側にあります。その先にスイスとの国境を示す石の標識があります。ちょうど日本の山にある三角点と同じぐらいのものでした。ここにあるポールにはスイスのハイキングコースを示す標識とフランス側のハイキングコースを示す標識が仲良くつけられています。
ポセット針峰はフランス側ですからフランスの標識(灰色地に青色文字)にしたがって西に向かいます。
ピンクの花が見事なアルペンローゼの群落があちこちにあるアルプは観光客が全くこないので、モンブラン山群の展望を独り占めにして、のんびりとハイキングを楽しむことができます。
ポセット小針峰は針峰という名にはふさわしくない穏やかな頂上です。
頂上からはル・トゥール氷河、アルジャンチエール氷河そしてシャモニーの谷が一望できます。ル・トゥール村へのトレースは、ひきつづきモンブランを正面に眺めながら、最後は樹林帯にはいりフランス国鉄の駅のところに出ます。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#3 - メール・ド・グラース氷河とモンタンヴェールからプラン・ド・レギーユ

はじめに

今日は、メール・ド・グラース氷河とモンタンヴェールからプラン・ド・レギーユのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図(シャモニーはフランス)
スイス全図(シャモニーはフランス)

カテゴリ

  • ハイキング

コース

  • シャモニー針峰群を仰ぎながらの豪快な展望を楽しむハイキング

シャモニー(1035m) ==== モンタンヴェール(1913m) ・・・・ フォーブスシグナル(2198m) ・・・・ プラン・ド・レギーユ(2310m) ---- シャモニー(1035m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

登山電車(シャモニー ~ モンタンヴェール) 約20分。

モンタンヴェールまでは、登山電車が苦もなくはこんでくれます。
登山電車が完成したのは、1909年のことです。それ以前にもラバの背に揺られてメール・ド・グラース氷河見物にヨーロッパ中から観光客が訪れました。
ナポレオン三世、ロード・バイロンヴィクトル・ユーゴー等々、歴史上の有名人も数多く訪れております。
モンタンヴェールにはホテル/レストランもあってたくさんの観光客が氷河見物に押し寄せてきますから、ここのテラスに長居は無用です。200m程トレースを歩けば、直接氷河に降りられる岩場にでます。垂直の岩壁には鉄ハシゴがついています。さあ!氷河に降りたってみましょう。

下り

徒歩(モンタンヴェール ~ フォーブスシグナル ~ プラン・ド・レギーユ) 約3時間30分。

ロープウェイ(プラン・ド・レギーユ ~ シャモニー)。

モンタンヴェールから標高差で280mの急な登りがありますが、足元の可憐な高山植物をめでながらゆっくり登りましょう。1時間のアルバイトをおえれば素晴らしいパノラマ展望台に到着します。
ふりかえればドリュの大岩峰が、メール・ド・グラース氷河の奥にはグランド・ジョラスの北壁が、そして頭上にはグランシャルモの針峰がそびえています。はるか下にはシャモニーの町並みが見下ろせます。
ここからプラン・ド・レギーユまでは多少の登り下りがありますが、普通に歩いて約2時間30分程のハイキングです。
しかし、この標準的な時間では決して歩けないでしょう。どうして?
ナンチョン氷河をはじめとして、次から次へと現れる懸垂氷河は今にも崩れ落ちそうな豪快な景観を呈しており、グレポン、カイマン、プラン、ミディへと続くシャモニー針峰群の天を突くほどの鋭いピークの連なりに圧倒されて、どうしても展望優先となってしまうからです。
このコースは、エギーユ・デ・ミディ展望台の中間駅であるプラン・ド・レギーユから逆に歩いてもよいです。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#2 - プランプラからブレヴァン

はじめに

今日は、プランプラからブレヴァンのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図(シャモニーはフランス)
スイス全図(シャモニーはフランス)

カテゴリ

  • ハイキング

コース

シャモニー(1035m) ---- プランプラ(2020m) ---- ブレヴァン(2525m) ---- プランプラ(2020m) ---- シャモニー(1035m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

ロープウェイ(シャモニー ~ プランプラ ~ ブレヴァン) 約30分。

下り

登りと同じルート。
ロープウェイ(ブレヴァン ~ プランプラ ~ シャモニー) 約30分。

ワンポイント

シャモニーに到着して、まずはこの展望台に登ればシャモニーモンブランの壮大な眺めが眼前に展開します。
いまから240年以上もの昔、1760年ジュネーブのオラス=ベネディクト・ド・ソシュールモンブランが真正面に見えるこのブレヴァンに登り、万年雪と氷におおわれたアルプスの最高峰を眺め、いつかは登りたいと夢を描いたのです。
日本では古くから山々は神々の座として信仰の対象となり、山に登ったという記録はたくさんありますが、当時のヨーロッパでは山登りという行為は人々の間には全く考えられないことでありました。高山には悪魔がすむと考えられていたのです。その呪われた山に登ろうという偉大な発想がソシュールによって、アピールされたのです。
ソシュールは科学の名において「頂上に到達できるコースを発見した者にはかなり多額の褒章金を支払う」という公布をシャモニーの全教区にだしました。ソシュール20歳のときでした。
それから、ソシュールは毎年シャモニーを訪れてこの白雪の処女峰を眺め登頂への思いをつのらせていたが、自ら挑戦するところまではいきませんでした。1775年頃から試登がおこなわれましたが、高い山の氷河で夜をすごすことはできないという古い迷信のもとでの登山では不可能でした。しかしついに、1786年8月8日が記念すべき日となりました。
シャモニーに住む医師ガブリエル・パッカールと水晶採りのジャック・バルマの二人が偉大な初登頂に成功したのです。
ソシュールは初登頂の機会は逸しましたが、翌年パルマらの案内によって47歳にして自らも登頂の感激にひたることができました。
このふたつの登頂は知識階級に一大反響を呼び、ヨーロッパ中の話題となりました。登山という新しいスポーツが誕生したのです。
ソシュールの偉大な功績に想いをはせながら、壮麗なモンブランの容姿を眺めるとき、その印象は一段と素晴らしいものになるでしょう。

シャモニーモンブランのハイキングコース案内#1 - アンデックスからラック・ブラン

はじめに

今日は、アンデックスからラックブランのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

レ・プラの教会
レ・プラの教会

カテゴリ

  • ハイキング

コース

  • お花畑のトレースをたどって美しい山上湖ヘ

シャモニー(1035m) ==== レ・プラ(1060m) ---- アンデックス(2385m) ・・・・ ラック・ブラン(2352m) ・・・・ レ・プラ(1060m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

バス(シャモニー ~ レ・プラ) 約5分。

ロープウェイ(レ・プラ ~ アンデックス) 約20分。

途中ラ・フレジェールで乗り換える。

徒歩(アンデックス ~ ラック・ブラン) 約1時間30分。

レ・プラはシャモニーの隣りにある村で、電車でもバスでも5分たらず、村のロータリーのなかには小さな教会があり、この教会を前景にしてメール・ド・グラース氷河にすっくとそそり立つ、レ・ドリュ(Aiguille du Dru 3754m)の鋭い三角形の大岩壁の景色はシャモニーを紹介するポスターや絵はがきでおなじみのまさに絵になる風景です。
アンデックスからは、赤みをおびた岩山をまくように良く踏まれたトレースを約1時間30分のハイキングで、白い湖(Lac Blanc)につきます。
赤い針峰群(Les Aiguilles Rouges)と呼ばれているだけに、こちら側の山々は全て赤茶けた岩石です。きれいな高山植物が咲く岩のトレースは小さな登り下りを繰り返し、とある岩尾根を回り込むと突然眼前に湖と小さな山小屋があらわれます。(なんと、湖畔には観光客向けに立派なレストランが数年まえにできてしまった!)
眼下のシャモニーの谷の向こう側には、エギーユ・デ・ミディ(Aiguille du Midi)をはじめとするシャモニー針峰群がまさにその名のとおり天空にそそり立っている豪快なパノラマが展開します。

下り

徒歩(ラック・ブラン ~ レ・プラ)。

下りの道はモンブランを正面に眺めながらラ・フレジェールに向かいます。
アンデックスからのトレースと違いこちらの道は幅も広く、岩もなく道端の花々を眺めたりしての楽しいハイキングです。約1時間30分。
ラ・フレジェールからは樹林帯のなかの道となり、アルプスの素晴らしいゴルフ場の脇にでます。ドリューの大岩壁や氷雪におおわれたエギーユ・ヴェルト(Aiguill Verte 4122m)を眺めながらのプレイは、日本では決して体験できないリゾートライフでしょう。(ラ・フレジェールからはロープウェイでもくだれます)

ベルナー・オーバーラントのハイキングコース案内#3 - ミューレンからシルトホルン

はじめに

今日は、ミューレンからシルトホルンのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図
スイス全図

カテゴリ

  • ハイキング

コース

ラウターブルンネン(796m) ----グリュッチアルプ(1489m) ==== ミューレン(1634m) ---- シルトホルン(2971m) ・・・・ ミューレン(1634m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

ケーブルカー(ラウターブルンネン ~ グリュッチアルプ)。
登山電車(グリュッチアルプ ~ ミューレン)。

ロープウェイ(ミューレン ~ シルトホルン) 約30分。

下り

徒歩(シルトホルン ~ ミューレン) 約3~4時間。

ユングフラウ雄大な眺めを終始楽しみながらの下り、たくさんのコースを選択できる。

ワンポイント

シルトホルンの展望台はジェームズ・ボンド主演の007 "女王陛下のシークレット・サービス"のロケに使われたところとして有名です。
ここの回転レストランからの眺めはクライネ・シャイデックからの眺めよりさらに一段と山に近づいた迫力のある展望を楽しめるでしょう。
途中駅のビルグまでロープウェイで戻り、ここからミューレンまでのアルプをハイキングし、ミューレンから歩いて約1時間のアルメントフーベル(1906m) のプラトーへ登り、お花畑に寝そべって360度の展望を満喫します。

ミューレンの村は断崖絶壁のうえにある小さな村で、クライネ・シャイデックやウェンゲンの村から、氷河に寝食されたU字型渓谷のラウターブルンネンタール越しに、この小さな集落が目に入った時、だれしも驚きと感嘆をもって眺めるに違いありません。
小学生の子供達が羊を追い、うら若い娘がアルプで牛の群れの世話をし、そして急な斜面で牧草刈りをする若者達をハイキングの途中で幾度となく目にすることでしょう。
狭い国土の3分の2は、雪や氷の岩山、又は森林や牧草地で、耕作ができるのはごく限られた地域です。ましてアルプス地帯では急斜面の猫のひたい程度の土地しかありません。しかしその狭い畑が良く手入れされているのに驚かされます。科学に代表される知的推進力そして"すべての成年男子はライフルを持つ"ことなどを考えるとき、スイスの本当の素晴らしさを実感するでしょう。