アルプスの山小屋案内

ヨーロッパアルプスの山小屋を案内するブログです。1990年代の情報のため、現在の状況と異なる場合があります。

ツェルマットのハイキングコース案内#3 - ツェルマットからシュヴァルツゼーとツムット

はじめに

今日は、ツェルマットからシュヴァルツゼーとツムットのハイキングコースをご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

スイス全図
スイス全図

カテゴリ

  • ハイキング
  • 登山

コース

ツェルマット(1605m) ---- フーリ(1864m) ---- シュヴァルツゼー(2583m) ・・・・ ヘルンリ小屋(2775m) ・・・・ シュヴァルツゼー(2583m) ・・・・ シュタッフェル(2200m) ・・・・ ツムット(1936m) ・・・・ ツェルマット(1605m)

表記 移動手段
==== 電車 / バス
---- ケーブルカー / ロープウェイ / ゴンドラ
・・・・ 徒歩
登り

ロープウェイ(ツェルマット ~ シュヴァルツゼー) 約50分。

徒歩(シュヴァルツゼー ~ ヘルンリ小屋) 約2~3時間。

下り

徒歩(ヘルンリ小屋 ~ シュヴァルツゼー ~ シュタッフェル ~ ツムット ~ ツェルマット) 約6~7時間。

シュヴァルツゼーからシュタッフェルまで約1時間30分。
シュタッフェルからツムットまで約1時間30分。
ツムットからツェルマットへはゆっくり歩いて1時間。

ワンポイント

シュヴァルツゼーにはホテルもあり、このホテルのベットからは窓一杯にマッターホルンを真近に仰ぎみることができます。素晴らしいロケーションです。
シュヴァルツゼー(Schwarzsee)のゼー(see)は湖の意味であって、ここにもマッターホルンを映す山上湖があります。しかも、この小さな池の傍には「雪のサンタマリア」というロマンチックな名前の小さな礼拝堂があり、絵になる風景です。

シュヴァルツゼーから頂上へ真っすぐに伸びる稜線がヘルンリ稜で、マッターホルンへのノーマルなルートとなっています。頂上をめざす登山者は前日このヘルンリ小屋に泊り、翌朝3時から4時頃に出発するのが一般的です。
(私は、1994年7月23日、4時5分出発で山頂11時着、下山開始11時20分、小屋の帰着18時20分。登り7時間、下り7時間の14時間にわたる気力・体力・技術の充実した単独登攀でした。天候は午後2時頃まで晴れで素晴らしい眺望でしたが、3時頃から雷鳴と雪になり降雪の中の下降となり、まさに「星と嵐」の貴重な登山を体験することができました。)
ヘルンリ小屋まで登るとマッターホルンは頭上に迫り、ますますその巨大さをまし迫力満点です。元気印の方にはお薦めします。

シュタッフェルへはマッターホルンの北壁の裾野の高山植物が咲き乱れるアルプのなだらかな径のハイキングとなります。
途中のツムットは、戸数わずかな山奥の寒村ですが、その素朴な美しさは格別です。表面を焼いた木組みの穀物倉と石で葺いた屋根の建物は昔のままで、いまも文化と伝統、習慣が継承されていることに、深い感銘を受けることでしょう。
ツムットからツェルマットへはなだらかな山腹の径となります。