アルプスの山小屋案内

ヨーロッパアルプスの山小屋を案内するブログです。1990年代の情報のため、現在の状況と異なる場合があります。

アルプスの山小屋案内#8 - シェーンビール小屋(Schönbielhütte)

はじめに

今日はツェルマットのシェーンビール小屋をご案内します。
本記事を読む前に、以下の記事を一読されることをおすすめします。 alpes.hatenablog.com

シュヴァルツゼー駅からシェーンビール小屋までの略図
シュヴァルツゼー駅からシェーンビール小屋までの略図

山域

ヴァリス ペニンアルプス

リゾート

ツェルマット

ロケーション

シェーンビール氷河とティーフマッテン氷河・シュトック氷河が合流してツムート氷河となる左岸台地(シェーンビール)。
広々とした一面お花畑のアルプに建つ素晴らしい環境の石造りの小屋。

標高

2694m

出発地

ロープウェーのシュヴァルツゼー駅(2583m)

用具

必要はない。

難しさ

標高差があまりないので、楽に歩ける。

所要時間

シュヴァルツゼー〜シェーンビール小屋

3時間

シェーンビール小屋〜ツムート〜ツェルマット

3時間30分

カテゴリー

  1. AA
  2. AA
  3. AA
  4. B

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コースのアウトライン

シュヴァルツゼー(Schwarzsee)はロープウェーで簡単にいくことができ、マッターホルンを投影する山上湖のビューポイントである。
そしてこの近くには今は貴重となったアルプスの名花エーデルワイスをみることができる。(具体的な場所は秘中の秘)
スタッフェルアルプまでは幅の広いゆるやかな下りの道で、圧倒的なマッターホルンの北壁を終始仰ぎみながら、足元には咲きみだれる色とりどりの高山植物をめでながらのハイキング。7月初旬頃のスタッフェルアルプでは牛が放牧されていて、この牛達を追うのは20代の娘さんや少年たち若い人達だ。観光客あいての仕事がたくさんあるであろうに、山野をかけめぐるキツイ作業に従事する姿をみるときスイスの本当の国力と素晴らしさをみるおもいがしてくる。
スタッフェルのレストランは右にみて、ツムートの流れを渡って堰を通過するとツムート氷河が後退してできたモレーンの土手の上のルートとなる。氷河側は急峻なガレとなっているが、右側は草花が咲いている緩傾斜で非常に対照的である。氷河側に落ちたら大変だから慎重に歩きたい。

ワンポイント

氷河の中や岩稜といった峻険な場所ではなく、のどかなアルプに建つ小屋で、アルプスでは貴重な存在感がある。お花畑に寝そべって、豪快なツムート稜と西南稜を心いくまで眺められる贅沢が楽しめる。
1863年8月4日、ツェルマットのモンテローザホテルを4時に出したウィンパーとカレルの一行はシェーンビールの先の氷河の中にあるシュトッキー(中ノ島)に7時に到着している。そして、ここから眺めたマッターホルンの岩壁の険しさに「めったに感情を現したことのないカレルが驚嘆の声を発した」と"Scrambles Among the Alps"のなかでウィンパーがのべている。